放送日:2021年8月20日

「続・手持ち花火」

 普段であれば、この夏の時期、全国各地で多くの「花火大会」が催され、夜空を彩る花火を楽しまれていた事と思いますが、残念ながら今はコロナ禍で密となる花火大会や夏まつり等のイベントは全国的に中止となっている現状にあります。
 例年このコーナーでも、私自身楽しみで、夏のあかりの風物詩として「花火大会や各地の夏まつり」のお話などをお伝えしておりましたもので、お伝えできず残念に思います。

 今年も夜空に何万発と打ち上げる様な花火大会は見ることはできないと思いますが、そんな中、少しでも夏を感じる「花火」に「手持ち花火」があります。特にお子さんのいらっしゃるご家庭では、この「手持ち花火」楽しむ方も多くいらっしゃることと思います。
 そこで今回は、この「手持ち花火」について少しお話できたらと思います。

 夏のこの時期、店頭でたくさん見かけるようになる「手持ち花火」ですが、皆さんは購入する際、何を基準に購入されてますでしょうか?・・・やはり値段、中に入っている花火の量、パッケージを見て、などなど、それぞれに選び方はあると思いますが・・・
 例えば、量は多いけど1本ごとすぐ燃え消えてしまうもの、煙ばかり多いものなど、中に入っている花火の種類や品質によって、選び方を間違えてしまうと、思ったように楽しめなかったなんて場合もあると思います。
 そこで、より「手持ち花火」を楽しむ為のポイントをここでお伝えできればと思います。

◆主な「手持ち花火」の種類
〇ススキ:先の方にフサフサとした紙が付いているタイプ。
火薬を紙や筒で包んでいることから、火の勢いは強く、ススキの穂のような火花が1m程先に飛びます。
他の種類に比べると煙が若干気になるものが多いので、広い場所での使用がおすすめ
〇スパーク:細めの棒に火薬が直接付いているタイプ。ポッキーみたいな形状
 雪の結晶のような細かい火の粉が飛び散るのが特徴で、ススキに比べると煙が少ないものが多いので、花火の時に煙が気になる方は、このスパークが多いものを選ぶと良い。
〇トーチ:レーザー光線のような真っ直ぐで強い光を放つタイプ。
 他のものより光が強く、火花や火の粉の感じはススキに似ていますが、細く長く出るのが特徴で、ピストルの先に付いているものは、子供が取り合いになるようなレアものw

 これら主要な3種の手持ち花火で、注目すべきポイントは燃焼時間です。商品によっては数秒から数分とかなり開きがあるので、より長く楽しみたいなら出来るだけ燃焼時間の長いものを選ぶのがおすすめです。
 見分け方として簡単にいえば、火薬の付いている部分が長ければ、それだけ燃焼時間が長い傾向があるので、たくさん陳列されている中から選ぶ時、迷った際は、火薬の長さを見比べてみるのも良いかもです。結構安い物は火薬部分が短いものが多いです。
 また比較的に安い「手持ち花火」に多く入っているのが火薬部分の短い「ススキ」です。
 数は多く入っていても、燃焼時間も短く、煙ばかり多く、思いの他、楽しめないといったこともありますので、注意したいところです。
★これらポイントを少し参考に、手持ち花火を選んでみてはいかがでしょうか

 最後に、忘れてならない手持ち花火のひとつに・・・線香花火があります。
〇線香花火:玉のような火種を中心に、雪の結晶のような細かい火の粉を散らす。
 その繊細で儚い火花は「牡丹」「松葉」「柳」「散り菊」などと4段階に分けられ、火花の形の移り変わりによって、線香花火の起床転結を表しています。
 皆さんご存知の通り線香花火は、煙や音がほとんど出ないので、広い場所でなくても楽しめるのが最大のメリットといえるでしょう。

 とはいえ昨今、手持ち花火を存分に楽しむ事の出来る場所も限られ、さらには、コロナ禍もあり、ひと昔のような楽しみ方はしづらいと思います。ただ花火は、見て楽しむものではなく、昔から「炎」は不浄なものを焼き尽くし、闇に光を与える神聖なものとされ、日本人にとって花火は鎮魂という大切な意味も持ちます。

 皆さん各々に、十分に周囲に気を配られ楽しまれることと思いますが・・・今年は本来の意味を感じながら、線香花火の儚い火花をメインに、静かに夏の花火を楽しまれるのも乙な楽しみ方かもしれません