放送日:2021年7月16日

「勉強スペースのスタンドライト」

 前々回より、お子さんの「集中力」を高め、持続させるのに適した照明、また勉強時間に適した“あかり”についてお伝えしています。前回はリビング・ダイニング学習における注意点などお伝えしましたが、3回目となる今回は場所を問わず、お子さんの勉強スペースに最適な「あかり」、机やテーブルに置いて使用する照明「スタンドライト」について考えてみたいと思います。

 まず、リビングやダイニングスペースは元々、食事やリラックスする為の部屋であるため、お子さんが集中して勉強するのに最適な環境であるのか?疑問が残るという点です。
 <勉強に集中できないポイント>
・親の状態が大きく影響する。また、別の行為を行う家族の影響。
・椅子・テーブルが食事向きの寸法の為、長時間の姿正の維持が難しく→注意散漫
・食事向きな低照度・低色温度の照明により手元が暗く、長時間の勉強に向かない
・ダイニング周囲に教科書や文具などを収納するスペースがあるか?などなど
 以上のように、「ダイニングで勉強させることがいい」という情報だけを鵜呑みにすることで起きる逆効果による影響は、思っている以上に様々あるのです。
 とはいえ、リビングやダイニングで勉強することがいけないという訳ではありません。勉強しやすい環境に整えてあげれば良いのです。その効果的な改善方法のひとつが、手元をしっかり照らすことの出来るスタンドライトの利用になります。

 以前このコーナーでお伝えしたスタンドライトに山田照明の「Zライト」というアームスタンドライトがあります。この「Zライト」が発売された1954年当時は、小さな台座から伸びた半固定式の細い首の先に小さな白熱電球が付いたものがほとんどで、調整機能がなく照明の角度が同じ、光源も目に入りやすく、手暗がりになりやすかったりと、学習スタンドとしては質の良いものではありませんでした。その中で、初めて手元を自由自在に照らすことのできる画期的なアームスタンドライトとして誕生したのがこの「Zライト」でした。
 販売当時のキャッチコピーに「30分以上勉強する人のスタンド」とあり、30分以上継続して使っても目が疲れない点を強くアピールした。長時間視作業を行う使用者にとって最適な光環境を提供した日本で初めてのアームスタンドライトとなります。
 Zライトは60年以降の高度成長と共に販売数を伸ばしながら、様々なモデルチェンジを行い、主流光源がLEDとなった今でも、人気のある機能的なアームスタンドライトのひとつでありますが、中には粗悪な類似品もあり、同じようなアーム型のスタンドライトでも光の質が大きく変わるものもありますので、選定される際は注意が必要となります。
 勉強スペースとしてのリビング・ダイニングはもとより、お子さんの勉強部屋でのスタンドライトの利用において、気を付けるポイントがいくつかあります。
→この後、いくつか選定ポイント説明
1. 点光源ではなく、線や面の光源のもの
2. 照射面の光を乳半のカバーで光を拡散させている仕様のもの LED素子(粒々)が見えるものは避ける
3. 被照射面(机・テーブルの天板:作業面)の手元の影の付き方に注意。ペン先に多重影となるものは避ける
4. 色温度 → 白色と電球色の間の光色を選べるものがベター

 このように、ただアーム型のスタンドライトといっても、様々な仕様の違いがあり、中には粗悪品もありますので注意して頂き、お子さんに合うスタンドライトを選定することをおすすめします。
 主に勉強などの長時間の視作業において、質の高い光は目にも優しい照明になると共に、30分以上勉強を頑張るお子さんを助ける光の文具となるのかもしれません。たとえ、勉強部屋ではなくリビング・ダイニングを勉強スペースとして使う場合でも、しっかり手元を照らすスタンドライトを利用することで、無理なく集中できる時間と環境を創りやすくすることができます。
 
 今回は主にお子さんの勉強スペースで使用するスタンドライトについてお伝えしましたが、何より最適な勉強環境を創るには、お日様のように温かい目でお子さんを見守る親の心が一番大事なのかなと思う次第です。