放送日:2021年3月12日

「浴室のあかり」

 今回は、皆さんのご自宅で、一日の仕事や家事で疲れた身体を癒してくれる空間となります“浴室”で使われる「あかり」について少し考えていきたいと思います。

 現在、住宅の中のお風呂といいますと、一般的には2畳ほどのスペースの中に納められたシステムバスが主流なのかと思われます。
 最近のシステムバスは以前の工法に比べかなり研究開発が進んでおり、この限られたスペースの中で、より過ごしやすい浴室空間を実現するため、汚れが落ちやすく冷たさを感じにくい床や湯が冷めにくい保温性の良い浴槽、また、人の動きを平面的ではなく立体的な3次元の動きとして捉え、浴槽の深さや形状、カランや棚の取付高さや形状など、細部に至るまで、メーカー各社、機能性や居心地の良さを追求され、日々進化し続けており、その空間を照らす照明においても、同じ様に変化がみられます。
 従来、浴室照明といえば水滴の侵入を防ぐなどの理由から壁付け照明が定番でしたが、最近はLED照明等の開発が進み、天井照明のタイプも増え、また湯船を照らす局所照明や間接照明のようなリラクゼーション効果を取り入れた照明なども増えているようで、今後ますます開発が進み、快適で寛げる浴室の演出に照明が活かされていく事でしょう。

 ところで、皆さんのご自宅の浴室照明はどんなタイプでしょうか?・・・

 日本の住宅におけるシステムバスの寸法は、1616(2帖程)か1216(1.5帖程)のスペースが多いと思われますが、このスペースで使用される照明の数はいくつ程でしょう?・・・各メーカーの仕様やタイプによって異なりますが、一般的にスタンダードなセットで照明が1灯という形が多く見られます。もちろんオプションで様々な設備を増やす過程で照明の数も増やすことができますが、他の仕様やご予算の関係で、照明を1灯のままにされることも多いようです。確かに2帖や1.5帖程のスペースであれば1灯の照明で明るさは確保できます。
 しかしながら浴室の場合、やや暗さが否めません。ショールームなどで実物のシステムバスを確認に行かれるケースもあると思いますが、ショールームでは明るい店内の為、実際取付けた時の明るさとは異なります。私的にはシステムバスの浴室照明は最低2灯で照らすタイプをお薦めします。→理由を少し説明
 また先程、湯船を照らす局所照明や間接照明のようなリラクゼーション効果を取り入れた照明なども増えているとお伝えしましたが、これらは以前と違い、浴室で過ごす時間が増えているといった理由もあるようです。
 それにともなって・・・浴室設計の捉え方も3Dから4Dへ。。。
この変化に合わせ浴室照明の有り方も考えて頂きたいものです。