放送日:2020年12月11日

「照明器具の寿命は?」

 毎日、当たり前のように使われ、現代の暮らしには欠かすことのできない照明器具ですが、なんとなく、いつまでも使えるものと思っていませんか?
 ランプ切れや、チラつき、など目に見える変化で寿命に気づくことのできるランプに比べ、変化のない器具に関しては気にされる方は少ないと思われますが、実は、器具にも寿命があります。
 JISの基準によると周囲温度30度以下の環境で1日10時間点灯した場合・・・耐用年数の目安としては8年~10年とされています。
 もちろん、使用条件や点灯時間など使用される方々の様々な環境によって大きく寿命は異なってきますが、それでも耐用の限度は15年程度とされています。

 皆さんのご自宅の照明器具は何年使われていますでしょうか?・・・

 これを聞いて、1日10時間も点灯してないとか、LEDランプに交換したから大丈夫と楽観視はできません
 昨今、器具とランプが一体となった長寿命を謳うLED照明も多く販売されるようになっておりますが、蛍光灯や白熱電球などのランプ光源を使用した従来の照明器具同様に、LED照明とはいえ、全ての照明器具は電気を使う設備機器である以上、長年に使っていると、経年劣化による様々な事故が起こる可能性があり、確率は低いとも、中には火災など恐ろしい事故に繋がるケースも少なくありません。特に照明器具のLED化が進んでいるとはいえ、まだまだ国内での使用率の高い蛍光灯器具に、発煙・発火などの事故が多く起こるとされています。その理由の多くに「安定器」があります。
 蛍光灯の器具には、放電を安定させるため「安定器」という機器が電源とランプの間に設置されているのですが、この機器は普段、目にすることのない器具内部にあることから、時間の経過とともに進行していく部品の劣化がわかりづらいのです。
 内部部品などは使用してなくとも環境に応じても経年劣化しますし、蛍光灯からLEDランプに交換する際、LEDランプの種類によっては安定器を取り外さなくてはいけない器具もあり、取り外さずに使用したため回路に過電流が流れ発煙するケースもあるのです。
 
 これからの時期、そろそろ大掃除を始められる方もいらっしゃることと思いますが、もし、ご自宅に長年使用している照明器具がある場合は、器具の掃除に合わせ、今お伝えしたような万が一の事故を未然に防ぐためにも、点滅・チラツキ・急に消える・異常な音・焦げ臭い匂いがしていないか? 焦げ跡や変色は?など、異変がないか注意されまして、早めのメンテナンスを行うことをおすすめします。