放送日:2019年4月26日

「続・なぜ?この2色」

 今回も前回に引き続きまして、「昼光色」と「電球色」といわれる、この2色の光の色についてお伝えしていきたいと思います。
 
 今現在、我々の暮らしを豊かに照らす一般照明において使用される代表的な光の色に、「昼光色」といわれる青白い光と「電球色」といわれる暖かみのある暖色系の光の2色があります。中には、「昼白色」「白色」「温白色」といった色表記をされるものも商品よって様々ありますが、これらはあくまで「昼光色」と「電球色」の混色であり、混ざり合うこの2色の比率によって呼び名を変わることになります。
 従来は、光の色を変えるには、それぞれ色の違うランプを取り換える手間がありました。しかしながら現在、機能性に富んだLED照明が一般的に広く普及したことで、皆さんのご自宅でも手元のリモコンなどで、光の明るさや色を自由に変える事ができる調光調色機能付いたLED照明を使用される方も増え、感覚的な操作で光の色を変えられるようになりました。
 LEDは赤、青、緑などの原色はもちろんのこと、1千600万色以上のほぼフルカラーといえる光の色が表現可能で、今では街のランドマークやイルミネーションなどで使用される演出照明はもちろん、一般照明においてもフルカラー照明は存在します。
 しかしながら、なぜ今もなお、「昼光色」と「電球色」この2色が生活で使われる代表的な光色であるか?ご存知でしょうか?

 その理由は太陽光にあります。人類が誕生してから数えても何十万年もの間、人は太陽の光の下で生活し続けてきました。その為、人が心身ともに最も安定を感じる自然な光が太陽の光となるのです。その為、地平線から昇り、地平線へと消えていく太陽の軌跡に沿った時間軸の中で変化する太陽光の明るさや光の色が、人の暮らしの中で使う光として最も適した「あかり」となるのです。
 ですから、人工光においても、晴れた昼間の太陽光のような「昼光色」と、夕暮れ時の太陽光のような「電球色」を、それぞれ時間帯や用途に合わせ、「昼光色」は日中の明るい時間帯に使う光、「電球色」は夕方から就寝までの夜間に使う光と意識」して暮らしの中に、この2色の照明を取入れる知恵を持つことで、心身ともに安定する生活を送る手助けとなるのです。