放送日:2019年4月19日

「なぜ?この2色」

 現在、従来までの生活に使用していた白熱電球や蛍光灯などの光源に変わり、LED光源を使用したランプや器具が我々の生活光源の主流となっております。
 従来光源と比べても、LED光源はいくつもの優れた特性があり、長寿命、消費電力削減による省エネ性能の高さ、熱や紫外線の発生を抑えることによる商品品質の高さ、また、ひとつの光源自体が粒のように小さい素子から発光することで、器具とランプが一体となる商品も多く開発され、仕様によっては器具の小型化や、様々な用途に合わせた器具形状の豊富さなど、機能性の高さを持っています。
 そして、中でも従来光源を使った照明には、真似のできない優れた特性のひとつに、調色調光機能があります。
 従来光源においても明るさの調整は可能でありましたが、照明の色を変える場合、ランプ交換の手間がありました。しかしながら、調色調光機能の付いたLED照明では、手元のリモコン操作で簡単に、お部屋の明るさはもちろん光の色まで自由に変えることが可能となりました。
 皆さんの中にも自宅の照明をLED照明に付け替えられて、この調色調光機能を使用している方も多くいらっしゃることと思います。
 では、この調色調光機能の付いたLED照明ですが、何色の光を調整しているか?

 各照明メーカー、商品によって表記の違いは若干ありますが、主に「昼光色」と「電球色」といった光の色表記がされ、この2色の光を混色することで、調色しています。

 例えば、商品やカタログなどに記載されるメーカーの説明に「昼光色」は、すっきりとさわやかな光・・・「電球色」は暖かみのある落ち着いた光・・・といった具合に、光の色について説明がされ、多彩な機能で暮らしのシーンに合わせたお好みの設定がリモコンで簡単にできる。といった記載をよく見かけます。
・・・では、聞きます。好みの光を使うならば、1色でいいのでは?また「なぜ?この2色」が照明の光として使われているのでしょう? おわかりでしょうか?

 その大きな理由に「太陽光」があります。有史以来、人類は何十万年もの間ずっと地球の自転周期に合わせた太陽の明るさの変化や光の色の変化の中で生活し続けてきました。
 その為、太陽光による自然光を、人は心身ともに最も安定を感じる光と感じ取ります。そして光の色の変化に照らし合わせてみると、大まかに日中の太陽光のような青白く明るい光を昼間の光、夕方の太陽光または夜間に焚く炎の光のような温かみを感じる光を夜間の光と認識し、その目から光の色の情報が脳に伝わり自律神経系に繋がる大きな影響を与えているのです。例えば、就寝直前まで白く明るい光の中にいた場合、いざ寝ようとしてもなかなか寝付けなかったり、逆に朝、いつまでも暗い中にいると身体がなかなか目覚めないなど、この2色の光を、それぞれに適した時間帯や生活行為にあわせ使い分けることで、雰囲気だけでなく、健康的にも優位に働く効果が望めます。
 
 すなわち、この調色調光機能の付いたLED照明は、ただ、好きな光の色に変えられる機能ではなく、人の生活における生理心理に有効的に働く、時間帯やシーンに合わせた適正な光の色を選ぶことのできる革新的な機能なのです。