放送日:2017年9月15日

「ブルーライト」

 昨今、主にPCやスマートフォンのディスプレイから発せられる「ブルーライト」による人体に与える影響が問題視されるようになっています。その為、ブルーライトを軽減する眼鏡などの商品が市場に出回ったりしております。そこで、今回はこの「ブルーライト」について今一度考えてみたいと思います。

 そもそも、この「ブルーライト」とは何でしょうか? その名の通り「青い光」のことをいいます。一般に私たちが「光」と呼んでいるものは、電磁波の中、人の目に見える波長「可視光線」のことで、その波長の範囲は、およそ400nm~800nm(ナノメートル)となります。この範囲の波長が、人の目の角膜や水晶体を透過することで様々な色の情報を脳で認識するわけですが、この認識できる光「可視光線」の色の中で紫外線に近く短波長域の強いエネルギーを持つ光が青い光、「ブルーライト」というわけです。
 「ブルーライト」はこの自然界に存在する光、太陽光や従来の白熱電球など様々な光に含まれれてはおりますが、現在普及していますLED光源を使用したPCやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明に特に多く含まれています。その為、PCやTVなどのデジタルディスプレイをはじめ、手元に「ブルーライト」の放出量の特に多いスマートフォンをたえず見る現在の目や身体に大きな負担をかける環境において、この「ブルーライト」を多く放つデジタルディスプレイ機器の作業に対して、厚生労働省がガイドラインを発てたり、WHOが夜間作業と癌の発生率の関連を発表したりと、様々な分野においても、問題視されている現状にあります。
 ただ、実際どこまでの悪影響を与えるのか、紫外線と違ってまだまだ研究段階で、不透明な部分もありますが、いずれにしても、歳をとってから後悔しない為にも、ある程度の知識を持ち、今からでも出来る範囲で予防を行っていくことは必要かと思います。
 例えば・・・ブルーライトを軽減するディスプレイを選んだり、ブルーライトカットの眼鏡を使用したりする。また、特に夜間は画面周囲が暗い環境で見ないようにしたり、ディスプレイの明るさを暗めに調整し、ホワイトバランス調整が可能なものは青色を抑え赤色を増やすなど、少しでも目に入れない試みはいくつも考えられます。
 とはいえ、現代人の生活には人工光源があふれ、ブルーライトを浴びずに生活することは不可能です。しかし、意識を持ち工夫すればある程度のコントロールは可能となります。
 紫外線のように、長い年月にわたり多く浴び続けることで、しわやシミになるのと同じように、長い年月、明るいPCやスマートフォンの画面を直視することで、その蓄積が心配されます。極力「ブルーライト」を照射するデジタルディスプレイを避けて、目の負担を軽減する試みを意識することは将来を思い、健康的に優位に働かせることといえるでしょう。