放送日:2017年6月9日

「フロアライト その1」

 皆さん「フロアライト」はご存じでしょうか?
 フロアライトとは、その名の通り床に置く照明器具をいいますが、床に自立できることで、スタンド器具、スタンドライトなんて言ったりもします。コンセント式でコードの届く範囲の中なら部屋のどんな場所にも自由に配置できることから、使い勝手も良く、特別な工事などもいらないので、新しい家具に買い替える時のような感覚で気軽に生活空間に取り込むことができます。その為、上手く使えばその意匠性や照明効果でインテリアを劇的に変化させ、お部屋をワンランクアップしたお洒落な空間にすることも可能となる照明器具のひとつといえます。
 そこで、このフロアライトについて考え方などいろいろお伝えできればと思います。
 まず、皆さんの中でフロアライトが自宅にあるという方、いらっしゃいますか?・・・おそらくですが、持っている方はかなり少ないのではと思われます。・・・それはなぜか?
 今まで日本の住宅照明といえば、一般的に1台の器具で、天井の中央からお部屋全体を照らすシーリングライトのような全般照明といわれる器具が多く使われてきました。
 その為、部屋の天井照明を点灯さえすれば十分明るいですし、わざわざフロアライトなど主照明以外の照明を追加する必要性もなく、部屋の照明は天井の中央にポンと1つあるのが当たりまえといった感覚の方が多いと思われます。
 しかしながら、昨今、省エネルギーに対する関心が高まる中、LEDに代表されるような省エネルギー照明の採用や新しい照らし方が、住宅においても注目が高まっております。
 そんな中、「1室多灯」という照明手法があります。これは、従来のように1つお部屋に1台の天井照明だけで全般的に照らすのではなく、1つのお部屋に複数の照明器具を設置し組合せ、時間や生活行為に合わせて明るさ感を創るといった照明手法となります。
 
 例えば、トイレやバスルームなどの単一の行為を行う単機能空間とは違い、特にリビングルームやダイニングルーム、寝室などの多機能空間では、家族団らんの他、TV鑑賞や新聞を読んだり、食事、お子さんのお勉強、また晩酌などご夫婦で寛ぐ時間など、様々な行為が行われます。このような、それぞれの行為や時間帯に応じた明るさ感は同一でないことがわかります。そこで、これらを全て解決する照明手法が「1室多灯」となる訳です。
 複数の種類の光を組み合わせ、それらの行為を行う場所に必要な分の明るさを創り、照らさなくても良い無駄な光をなくすことで、それだけ省エネにも繋がる事になります。
 また、適度な陰影ができることで、空間にメリハリやリズムが生まれ、お部屋の雰囲気も随分変わり、ワンランクアップした生活空間を楽しめます。
 そこで活躍する照明器具のひとつが「フロアライト」です。電気工事もなくコンセントに繋ぐだけで自由に楽しめますので本当におススメの照明器具となります。