放送日:2017年3月3日

「車のライト」

 今回は「車のライト」について少し考えてみたいと思います。
 「車のライト」、ひと昔前と比べて白く眩しいくらいに明るくなったと感じませんか?
 我々の生活空間を照らし続けてきた照明ですが、時代の流れの中で白熱電球から蛍光灯などの放電灯器具、そしてLED照明と、使われる光源を変えながら、明るさや機能性を高めつつ進化してきました。それら生活空間の照明と同じく「車のライト」も時代の流れに伴い使用される光源を変化させながら明るさや機能性を高めてきました。

 車のランプの歴史から話しますと・・・
 1970年代後半までは白熱電球と同じように取付けるタングステン球が主流でした、当時はランプの寿命も短く、時間の経過と共に隙間から水分やホコリが入り、レンズや反射鏡を曇らせ照度が落ちたりと、今と比べるともちろん、明るさや機能性はかなり低いものだったようです。
 1980年代に入るとハロゲン球が開発され、明るさが飛躍的に向上し普及が進みます。
 そしてこの頃から、ランプが明るくなったことで、対向車への眩惑防止に役立つ上向きの光がカットされたライトが開発されました。

 そして、2000年になると「ディスチャージヘッドランプ」が登場します。従来の「ハロゲン球」に比べて、さらに明るく消費電力が少なく済むことで、エコロジーの波に乗って普及が進みました。「ディスチャージヘッドランプ」とはいわゆる放電灯ランプの種類でそのユニットを「HID」なんていいます。つまり一般照明でいえば、白熱電球から蛍光灯に変わったのと同じ感じですね。

 そして、2011年になると、いよいよLEDのヘッドライトが市場に出回ります。
 昨年度末の情報ではLEDヘッドライプの国内シェアは60%を超えており、1年経過した現在、さらに需要は伸び続けており、国内で走る車の大半は主流のヘッドランプ光源としてLEDが使用され、急速に普及し始めているようです。
 LED照明といえば、一般照明では、長寿命で消費電力も少ないなど、良いこと尽くめと思われるライトですが、自動車用ヘッドライトとして考えてみると、光に指向性もあり運転するドライバー側としては、前方の視認もしやすく申し分なさそうですが、歩行者や対向車など照らされる側に立つとLEDの光は優しい光とは言えず、刺激が強い眩しい光だと、ストレスを感じる方もいるようなのですが、実際はどうなのでしょうね?
 そこで次回は引き続き、車で使用するLEDライトについて考えてみたいと思います。