放送日:2016年12月2日

「色温度の使い方 その1」

 皆さんが照明器具やランプの購入を検討される時、まず多くの人は、目に見える明るさと照明器具のデザインに強い関心を持たれると思われます。単位面積あたりの明るさを表す単位を「lx =ルクス」といって、照明器具の明るさを計る上で今では一般的に知られるようになりました。
 しかしながら、照明器具やランプを検討する際に明るさと同じくらい重要なポイントに光の色を表すものに「色温度」があります。
 「色温度」というと一般の方には馴染みのない言葉と思われますが、簡単にいいますと、この自然界に存在する光の色を数値で表したもので、単位はアルファベットのKと表記され「ケルビン」といいます。
この「あかりの演出」で今まで何度となくお伝えしてきましたこの「色温度」という言葉ですが、再度、今回より主に住宅照明に照らし合わせ、この「色温度の使い方」について、改めてお伝えしていきたいと思います。

 例えば、一般的な住宅照明の光の色を大まかに分けると、日中の太陽光のような明るい青白い光と、一般的には電球色といわれる夕日のような適度なオレンジ色の光、この2つの光の色が使用されています。これら2つの光の色は各々違った「色温度」を持っており、白い光は5000K~6500K、電球色は2400K~3000K程度として数値で表される事となります。

 先ほど、自然界に存在する光の色とお伝えしましたが、もちろん照明器具の人工的な光だけでなく、太陽光やキャンドルなどの火の光にも、この色温度の数値が当てはまり数値として表わせます。日中の晴天時では色温度が高く、夕方・日没時頃では色温度が低いことがわかり、言ってしまえば、人工照明の色温度の高い白い光は「昼間のあかり」、色温度の低い電球色の光は「夕方や夜間のあかり」と大まかに分類することができます。そこで、時間帯の違いで変化する光環境の中、人はどのような生活をしているのでしょうか?
 ほとんどの方は、明るい日中の時間帯に、お仕事や学校へ行かれ、ご自宅では家事など活動的な時間を過ごされていると思います。逆に夕方や夜間は仕事や学校も終え自宅に帰宅し就寝までのリラックスした時間帯を過ごされている事と思います。これは、今に始まったことではなく人類が誕生して以来ずっと培われてきた人と光環境の関係性から成り立っています。
 つまり、人が活動的になる時間や場面に適した光、また人が心身を休めリラックスする時間や場面に適した光が存在し、生活する上、それぞれの時間や場面に合わせ色温度を選択し光環境を整えてあげることが心身ともに快適な生活をおくるのに大切になってきます。
 現在主流となるLED照明では、明るさや光の色を自由に選択できるようになりますが・・・
 では、皆さんはご自宅でこの2つ光色、どのように使い分けられていますでしょうか?