放送日:2016年12月9日

「色温度の使い方 その2」

 前回は、光の色を数値で表す単位「色温度=(K)ケルビン」についてお話しましたが、今週も主に皆さんのご自宅で使用されています住宅照明における「色温度の使い方」について、引き続きお伝えしようかと思います。
 普段、使われている照明の光の色には、大きく分けて2種類の「色温度」があります。
 色温度の高い、昼間の太陽光のような光、一般に「昼光色」といわれる明るく青白い光色と、色温度が低い、夕方の太陽光や炎のような一般に「電球色」といわれる柔らかい橙系の光色です。
 ではなぜ?他にもいろんな光色が存在する中で、一般に人工照明で使われる光の色はこの2色なのでしょう? 実は太陽光の時間軸に応じた「明るさ」と「光色」に関係性があり、日中照らされる白系の明るい光と夕方から夜間に照らされる橙色の光、この太陽から照らされる2つの光色が、生活する上で人が1番自然で快適と感じる現実的な光の色なのです。その事からもこの2つの光の色は、大まかに「昼間のあかり」、「夕方から夜間のあかり」として分類され、太陽の照射角度で変化する光の色に合わせるように、それぞれ時間帯によって照明の光色を生活の中で意識的に使い分けることは、現代人が心身ともに快適な生活をおくる上ではとても大切なポイントといえます。
 つまり、明るく青白い色の光は朝や日中の明るい時間帯やお仕事など活動的な場面に適しています。反対に、適度な明るさを持った電球色の光は夕方から夜間の就寝前の時間帯やのんびり寛ぐ場面に適しているといえます。

 ところで、皆さんのご自宅でも、この2つの光の色を使われていると思いますが、それぞれに使用する場面や場所など、意識した使い分けをされていますでしょうか?
 では、住宅照明における色温度(光色)の使い方について考えてみましょう。
例えば、「キッチンの手元灯」や「勉強部屋や家事室で使われるタスクライト」などは、作業を行う手元を明るく照らす活動的な場面となり、よく白系の光色が使われる箇所でいえます。また、「寝室」や「リビングルーム」など寛ぎを重視するエリアでは、のんびりと心身を休ませリラックスするには電球色の光色が適切といえるでしょう。
 このように、それぞれのお部屋で過ごす時間帯や使い方をイメージしてみることで、使用する適切な色温度がわかってきます。
 従来光源からLED照明にあかりの主役が変わったことで、ひとつの空間にある同じ照明器具で色温度も自由に変化させれるようになりました。例えば、バスルームや洗面台の照明に調色機能付けた場合、朝の風呂は白色の明るい光の中でしっかりと目を覚まし、仕事から帰った後の夜の風呂は適度な電球色の中で、のんびりリラックスした時間を楽しむなんて使い方も効果的な「あかりの演出」となります。