放送日:2016年9月9日

「月見の宴」

 来週の木曜日、9月15日は「中秋の名月・十五夜」にあたります。
 そこで今回は、美しい月を眺めながら、「月あかり」を楽しむ素敵な十五夜の過ごし方など、少しお話できたらと思います。→今年は晴れるかな?

 さて、この中秋の名月・十五夜の夜にお月見をする風習はいつ頃から行われたと思いますか?・・・古くは平安時代に大陸から日本に伝わり、当時は貴族階級の中で「月あかり」楽しむ宴として広まったとされています。その後、月の満ち欠けによる暦を重要とされていた農作業の中でも、秋の収穫時期と重なる十五夜の日に、豊作を祈願してお月様にお団子やその時期に収穫できる野菜や果物をお供えものをしてお月見をする今の形になったようです。よく見る絵としてお月見団子の横に、ススキが添えられていますが、これは豊作の稲穂を模ったものとされています。

 このように十五夜の夜にお月見をする風習は大昔からあったようですが、皆さんは十五夜のお月見・・・されていますか?→ほとんどの方がテレビのニュースで見るくらいなのかなと思います。確かに大昔、ほとんどの方が農耕を行っていた当時の日本とは違い、現代では生活もかなり変わってきたことで、本来の豊作祈願の意味を持つお月見という風習は薄れているのかと思います。
 しかしながら、1年で一番綺麗に見ることができるこの十五夜の「月あかり」を楽しまないのは、勿体ないことです。お花見や節分など、ご家族で楽しむ季節の行事のひとつとして、十五夜のお月見を楽しまれてみてはいかがでしょう。

 では、簡単にできるお月見のポイントをお伝えします。
 場所については・・・南側の窓辺(出窓など)、お庭やデッキ、ベランダ、縁側など、ご自宅の南側でお月さまが拝めるスペースを取り、お供えものとして、お月見団子(和菓子屋・スーパー・コンビニどこでも購入できます。)や、月見酒を用意します。また、ススキがあると尚良しです。ただこれだけの簡単な用意で純粋に月あかりを愛でる気持ちさえがあれば、よろしいと思います。
 そして、一番大切なポイントは「月あかり」を楽しむ為に部屋のあかりを消す時間を作る事です。夜も昼間のように明るい環境で生活することのできる現代人にとって、「月あかり」による情感高ぶるわずかな明るさ感は、新鮮に映る時間となり、お子さまにとってもお団子を食べる楽しみとともに、部屋の明かりを消すというお月見の時間が、楽しい家族の記憶として残ることでしょう。

 このように、簡単な準備でお月見はできますので、年に一度の贅沢な月あかりによる「あかりの演出」、ぜひご家族で楽しまれたらいかがでしょう