放送日:2016年1月8日

「光源の高さ」

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申しあげます。

 皆さん新年いかがお過ごしでしょうか?・・・楽しい休みを過ごされたと思います^^
 とはいえ、年も明けて1週間が経ち、そろそろ普段の生活リズムに戻り、お仕事を始めてらっしゃる方も多いと思います。私も先日から東北、北関東と出張が重なり、また忙しい日々が始まってしまったと><感じている今日この頃です。
私が出張の際、いつも好んで利用している某ビジネスホテルチェーンがあるのですが、よく利用する大きな理由が客室内の照明にあります。
 決して高価な照明器具が使われていたり、凝った演出がされているわけではないのですが、なぜか居心地が良いのです。その理由のひとつに「光源の高さ」があります。
 ホテルの照明となると、寛ぎリラックスできる空間づくりが求められることになりますが、
 この客室の主照明は、ベット横にある床置き調光スタンドライトと壁付けライト2か所の横から照らす部分照明、これだけのあかりで部屋と要所を照らすといったもので、ビジネスホテルの特性を考えると効率の良い無駄のない照明プランとなっています。

 ホテルによっては、天井にダウンライトや天井照明のついた部屋もありますが、上から照らす明るすぎる照明は、寛ぎリラックスする空間には少し不向きといえます。

 これを住宅照明に置き換えて考えてみた場合どうなるでしょう・・・。
 日本では、ひと昔前から部屋中央に取付けた天井照明の光に慣れ過ぎているように思え、いつしか、部屋の光は天井から明るくまんべんなく照らすものと、その光に何の疑いも感じず天井照明だけで生活している人がほとんどかと思います。確かに、日中など活動的な時間帯や緊張感が必要な状況では、天井のような高い位置で上から下へ照らすのが効果的です。しかしながら、身体を休めリラックスしたい夜も同じ明るい天井照明の中で、寝る直前まで過ごすのはいかがなものでしょう・・・それは良い睡眠の妨げとなります。
 このように光の位置が人の心理に作用をおよぼす理由として、太陽光が考えられます。
 人は長い人類史の中で太陽の軌跡に合わせた光で生活してきた為、実は昼は上から下への光、夕方から夜にかけては低い位置からの光が人にとっては一番自然で快適な光といえるのです。

 光の高さは、心身共に豊かな生活をおくる上で重要なポイントといえます。
 例えば、朝から夕方、夕方から夜、夜から深夜と・・・天井照明から、ペンダントライトや壁付けライト、そしてスタンドライトやフロアライトと時間の経過とともに、光の位置をだんだんと下に下げるイメージで部屋の照明を切り替えていくと自然と体も休まり安眠に繋がっていきます。

 また、「あかり」は天井照明ような全般的に照らすものから、壁付けライトやスタンドライトのような部分を照らすものに変えた場合、一般的に消費電力も下がることになり暮らしの中で大きなメリットになり得ます。

 新年を迎え、新しい事にチャレンジしてみたいと考えてらっしゃる方もいると思います。
 時間によって、照らさなくても良い光は無理なく削って身体にもお財布にも優しい”あかりのダイエット”に取り組まれてみてはいかがでしょう