放送日:2022年9月23日

「あかりの雑学 No.3」

 今回は、「あかり」にまつわる雑学として、見えない光のお話をしたいと思います。

 普段、人が見ている光は電磁波の波長(nm:ナノメートル)で表され、その波長のうち360nm~最大で830nmまでの波長域を人が視覚で認識することができる波長とされ、これを「可視光・可視光線」といいます。つまり我々人が普段目で見ることのできる光が可視光という波長の範囲となるのですが・・・それでは可視光の波長域外の波長はどうなっていると思いますか?

 可視光の波長域:人が波長を光色として認識できる波長域を基準にとらえると、360nm未満となる側は、数値が少なくなればなるほど波長が短くなる「短波長域」となり、また、830nm以上となる側は、数値が大きくなればなるほど波長が長くなる「長波長域」といわれる波長域が存在します。これら、短波・長波それぞれの波長域の中でも数値によって呼び方が異なり、例えば、可視光域のすぐ短波長側には「紫外線」、長波長域側が赤外線と表され、これら人の目に見えない光・波長を「不可視光・不可視光線」といいます。
 これら人の目で見ることのできない光ですが、実は人間以外の一部の動物や虫によっては見ることができます。例えば、フクロウやヘビなど赤外線の光が見えることで、夜間暗い中でも獲物を確認して捉えることができ、また、ほとんどの虫が紫外線を認識できるとされ、夜間照明に虫が寄ってくるのも、ただ暗い中で明るい光に寄ってくるということではなく照明の光に含まれる紫外線に寄ってきているのです。
 そして、さらに赤外線よりも波長が長くなると、電子レンジに使われるマイクロ波があり、紫外線よりも波長が短くなるとX線やガンマ線といった照射量によっては人体に悪影響をもたらす放射線など、それぞれさらに見えない光が存在します。
 
 X線といえば、皆さんも一度は聞いたことのある言葉かと思いますが、X線は1895年にドイツの物理学者ヴェルヘルム・レントゲン博士によって発見された波長域で、名称の由来も「目に見えない光、不思議な光」といった意味から名付けられたようです。レントゲン博士はこの功績を称えられ1901年に第一回のノーベル物理学賞を受賞されており、そのころから現在までX線検査やCT検査に使われ医療を飛躍的に進歩させたことはいうまでもありません。ご存じの方も多いと思いますが、発見したレントゲン博士に因みX線検査のことをレントゲン(レントゲン検査)と呼ぶようになったようです。

 今回はあかりの雑学「見えない光」のお話でした」