放送日:2022年7月1日

「目に見えない光“UV:紫外線” その1」

 夏に近づくこの時期、特に多くの女性の方が気になる事に、日焼け、しみ、シワの原因になるといわれる紫外線があると思います。これから、より太陽光に含まれる紫外線量も多くなっていきます。
 紫外線は4月~9月の半年間で年間紫外線総量の約8割が降り注ぐといわれており、これから夏に向けて紫外線量もどんどん増え、女性の方々は、特に日焼け止めなど紫外線対策が気になる季節となる頃だと思います。また紫外線は、長年浴びた蓄積によっては、皮膚ガンや白内障などの重度の健康被害を引き起こすこともあり、人体に悪い影響を及ぼすものとして、一般的にはあまり良いイメージは持たれないと思います。
 しかしながら、短時間の適度な紫外線は、成長ホルモンや自律神経系を整えるのに役立つ「ビタミンD」の生成を体内で促進する効果があったり、滅菌や殺菌用の光として役立ったりと、使い方(浴び方)によっては長所の面を持つ光といえます。
 そこで今回から「目に見えない光“UV:紫外線”」と題して、夏を乗りきる紫外線の長所を活かすお話を少しさせて頂ければと思います。

 冒頭での話のように、短所ばかりが多く知られる反面、あまり知られていないのが紫外線の長所です。・・・紫外線には、実は健康な生活を送るために必要不可欠な栄養素「ビタミンD」を体内に生成する働きがあります。
 
 「ビタミンD」はカルシウムの吸収を助け、新陳代謝や免疫力を高める効果がある為、ダイエットにも効果があるようで、近年、注目が高まっており、効果的に「ビタミンD」を摂取する方法として、短時間の日光浴がとても良いとされています。
 
 では仮に、成人が1日あたりに必要な摂取量を生成する為には、どのくらいの日照時間が必要となるでしょう?
 ある研究機関の調べでは、冬の12月の正午で、沖縄で8分、関東で22分、北海道で76分の日光浴が必要になるとの事です。これから夏にかけ紫外線量の多い季節となっていく為、しっかりとした紫外線対策は必要な所ですが、自律神経系のバランスを整え、メラトニンなどのホルモンの生成にも多いに役立つといわれる紫外線。場所や時間、季節によって、多すぎても、少なすぎてもいけませんが、適度な短時間の日光浴は健康的な生活をする為の秘訣になると思われます。
 このように、短所だけでなく、長所もある紫外線ですが、実は太陽の光だけでなく、人工照明の光にも含まれているのです。そこで、次回は照明器具を「あかり」観点から紫外線の長所、短所についてお伝えしたいと思います。