放送日:2021年10月8日

「幼児期の光環境づくり」

 前々回程に「赤ちゃんに最適な光環境」について、どのような光環境が赤ちゃんに望ましいのかお伝えしましたが、今回は満6歳頃までの幼児期に最適な光環境とはいったいどの様なものか?子供と光の関係性を基に考えてみたいと思います。
 
 リスナーの方々の中でも、小さなお子さんのいるご家庭では、夜間布団に入っても、子供が中々寝てくれないなんてお悩みをお持ちの方も少なくないと思われますが、今回の内容を聞かれ少しでも改善する切っ掛けとなれば幸いです。
 まず子供の目は生育上、視力や神経系の成長が安定するのは6歳頃までとされ、この期間の育児において、特に健康に影響を与える光環境に対して適切な配慮が望まれます。
 中でもこの幼児期に質の高い睡眠を取れる生活リズムとそれらを整える光環境の関係はとても重要な内容のひとつとなるのです。
 しかし現在、日本の子供の就寝時間はかなり遅くなっています。午後10以降に寝る幼児は全体の3~4割になっているという調査結果も挙げられており、その要因としては、ひと昔前に比べても社会全体が夜型よりな生活スタイルになっている現状が挙げられます。ご家庭においても気軽にインターネットやゲーム、TVなど夜遅くまで利用する人が増えたことで、大人と同じく子供までも夜遅くまで活動する生活習慣になってしまっている傾向にあるからです。就寝時間が遅くなることは、もちろん質の高い睡眠時間が減ることになり、子供の健全な成長に様々な悪影響を及ぼす結果となります。
 
 人が質の良い睡眠を得るよう分泌されるホルモンに「メラトニン」があります。この「メラトニン」が正常に分泌されることで、安眠を誘うほか、新陳代謝を促して、疲れも取れ、病気の予防など、心理面・健康面においても優位に働くとされています。特に1歳から5歳までの間に最も多く分泌されることから、この幼児期に十分なメラトニンの分泌を行いやすい体質を得られるような生活習慣づくりの配慮が望まれます。
 ある調査結果に、幼児期に就寝時間が遅かった子は小学生になっても遅く寝る傾向が強くあり、就寝時刻の遅い子供は成績も低く、早い子供は成績が高いといった統計結果もあり、睡眠の質が学習能力に関係してくるという結果も挙げられます。幼児期に遅く寝ることが、その後の悪い生活習慣につながることを考慮すると、幼児期の規則正しい生活とそれらを整える光環境の役割はとても重要な内容となるわけです。
※では、どのような光環境が最適となるのでしょう・・・

 このメラトニンですが、夜間に強い光を受け続けると分泌量が減少してしまう性質があります。つまり、夜・就寝までの間、部屋全体を照らすような照明で、昼間のように明るい光環境で過ごすことは安眠を妨げる結果となるのです。
 そこで、メラトニンの分泌量を上手く増加させ、お子さんの安眠を誘う「あかり」による環境づくりの方法として、例えば、食事やお風呂を済ませた辺りの時間(※最低でも就寝させる1~2時間前程)から部屋の明かるさを徐々に落としながら必ず電球色の光色にすることが必須です。それによって目から入った光情報が脳に伝わり、夜に近づいたなと認識し始め、副交感神経に徐々に切り替わることで、身体を休めようと働き、寝る準備が身体の中で始まります。この光環境の準備によって寝つきの悪いお子さんも布団に入ったらスぅ~と自然に入眠できる体質が備わるようになります。なので就寝直前まで明るい環境にいて、いざ寝ようと思ってもすぐに寝られないのは、身体が寝る準備ができていないので当たり前のことです。
 
 この夜間の光環境創りに少なからず興味を持たれた方は、ぜひ1~2週間続けてみて下さい。気が付くと知らず知らずに寝入りが良くなり、必ず良い変化を実感できると思われます。お子さんだけでなく、大人の方でも不眠がちな方であれば効果は高いと思われますので、お試しください。
 
 幼児期は目を育てる大切な時期です。夜型の大人の生活に子供を巻き込まず、正しい認識を持ち子供の発育を助けるよう、しっかり光・環境を整えていってあげたいものです。