放送日:2019年8月23日

「これからの照明計画 その3」

 前々回より「これからの照明計画」と題しまして、住宅照明の在り方など これからの暮らしの快適さや魅力を高める為の考え方など、お伝えしてきましたが、3回目となる今回は、ご自宅で出来るより具体的な照明計画の方法について考えていきたいと思います。

 「照明計画」とは・・建物を建築する際、照明器具を利用して光と影をコントロールすることで、空間の快適さや魅力をより高めるような設計上の工夫をさします。
 それは、ただ明るさを確保するためだけや、恰好良いデザインの照明器具・方法を選ぶことではなく、時には適度な暗さも効果的に取り入れ、機能的にも幅のある光環境をしつらえる事で、空間の快適さを高め、魅力ある暮らしを創り出す「あかりの計画」・・・本来の照明計画となるのです。

 「あかり=照明」で、そんなに変わるものか?と疑問を持たれる方もいらっしゃることと思いますが、それは、1つの空間に1種類の「天井照明」といった半世紀以上続く照明の形による固定概念が少なからずそう考えさせてしまうのかと思います。

 では、住宅以外の建物ではどのような照明計画となっているのでしょう?
 例えば、学校やオフィスなど日中活動する空間では、空間全体が均一に明るくなるように照明計画されておりますが、レストランやカフェなど食事や小休止するような空間では、全体を適度な灯りで包みつつ、テーブル席やカウンターなど局所はしっかり照らすような照明計画になっています。また、温泉旅館やホテルのラウンジなど、さらに寛ぎを重視する空間では、より全体照度を抑え、必要な箇所を柔らかい光で照らすような光環境になっています。このように空間の使用用途によって適正な光環境が変わることから、このような照明計画の違いが現れるのです。ある一定の場所や時間に応じて使用目的が明確な空間では良いのかもしれませんが・・・住宅では、どのような照明計画(光環境)が適正なのでしょう?

適正な住宅照明の有り方について・・・具体的な照明方法の工夫をお伝えできればと思います。
・光源の高さ
・明るさ・光色の使い方
・スタンドライトなど、2つ以上の光源利用の応用
・特に不特定多数が集うリビングやダイニングでの応用 etc