放送日:2018年12月14日

「LEDカラー照明 その2」

 今回も前回に引き続き、LEDのカラー照明について、お話していきたいと思います。

 皆さんの身近にあるLEDのカラー照明といえば、信号器の灯具があります。平成29年3月末の警視庁の調べでは、信号灯器全体に占めるLED式信号灯具の割合は52.5%を占めており、今後も引き続きLED式の信号灯器が整備されていくようです。他にも、店舗看板やディスプレイ、ビルのライトアップ、またイベントや舞台照明と、現在私たち身近な様々な場所でLEDのカラー照明が使われ、より華やかな表現を可能とする新しい照明演出の形となっております。

 蛍光灯や白熱電球といった従来の光源では、光の色を変える時には、色ランプを使用したり、照射方向にカラーフィルターを装着する方法が必要でしたが、今ではLEDによって比較的に色の演出が簡単となり、色の再現性においても、信号器のような原色だけでなく、機器によっては1600万色の再現が可能とされ、ほぼフルカラーといっていい色の再現が可能となりました。

 また、機能面においてもスマートLED照明による機器との組み合わせで、スマートフォンやタブレット端末を使いwifiやbluetoothを介してワイヤレスで照明操作可能となったことで、より繊細で高度なフルカラー照明の演出が実現されております。
 例えば、大規模なイルミネーションでは何千、何万といったLED素子を使用して風景や造形を光によって投影したり、東京スカイツリーのような都市のランドマークや商業ビルのライトアップにおいても、ただ単純な色の照射ではなく、色のグラデーションを表現しつつ季節や時間、またイベント期間に合わせるなど、色取り取りな照明演出が行われとおり、今後ますます、いろんな用途や場所でLEDのカラー照明が増えていくことでしょう。

 機能性の高さや便利な反面、LEDのカラー照明は、色の見え方の観点でいえば、まだまだ忠実性を欠きます。前回もお伝えしましたが、主にRGB光源の組合せでフルカラーといえる色を再現するのですが、この光の3原色が重なって表現する混色、特に黄色の再現性がまだまだ乏しいといえるのです。その為、現在メーカー各社では灯具に搭載するLEDを3色から4色に増やすことで、より表現可能な色を増やしたり、求める色温度を正確に再現できる制御ソフトのレベルアップに努め、日々研究開発は進められています。