放送日:2018年1月19日

「照明の保守」

 今回は「照明の保守」についていろいろ考えてみたいと思います。
 今お使いになっている照明器具やランプにも寿命があるのをご存知でしょうか?
 もちろん、それぞれに照明器具やランプの使用頻度や使用環境などの違いによって、その寿命は様々ですが、照明器具工業会では、一般的に照明器具の適正交換時期を8~11年、耐用年数を15年と定めています。
 ただ、現実的には、交換しやすいランプと違い、特に照明器具は一度取付けたら故障や点灯しなくならない限り、8年~11年で交換されることはほとんどないではと感じます。
 例えば、皆さんの周りにも数十年前に建てられた建物の中に、新築された当時から未だに頑張って使われている照明器具など、たくさんあるのではないでしょうか?

 しかしながら、照明器具は使用していると、気づかないうちに器具の汚れやランプ自体の光束量が減少することで、明るさが低下していきます。その為、適切な時期に清掃とランプ交換を行う必要があるのですが、こういった保守をせずにいると、設計上、実際得られる器具やランプの明るさよりも暗くなることで、電力の無駄遣いにも繋がる為、器具の使用環境によって汚れや劣化の程度が異なるにせよ、それぞれの使用環境や器具、ランプの仕様を考慮して、保守の時期を決めておくのも大切なことと思われます。

 適切な保守によって得られるメリットはいくつもあります。例えば、器具やランプの仕様を見定め、保守率などを基に照明計画を行うことで、設置する器具を適正な台数に抑えて、固定費を節減できたり、器具の容量を小さくすることで、電気代を節減できたりします。また、明るさが増すことによる、安全性の確保や、特に店舗などでは全体の印象や価値も上がり売上アップに繋がるケースも多くあります。他に、省エネの観点からも照明の保守を行うことで得られる波及効果は高いと思われますので、検討されてみてはいかがかと思います。

 昨今普及しておりますLED照明においては、器具とランプが一体となっている商品も多く市場に出回り。また、ランプといっても、LEDのものから従来光源を使用したランプまで、現在、使われております光源の種類も多種多様となります。実はこれら様々ある照明商品には、それぞれに光源の定格寿命が定められており、LED光源でいえば、4万時間と謳われているものがほとんどとなりますが、これらの定格寿命を目安に交換時期など検討されても良いかもしれませんね