放送日:2017年5月19日

「LED電球を選ぶ」

 今回は今一度、賢いユーザーとなるLED電球の選び方をお伝えできればと思います。
 現在、各メーカーから販売される新商品のほぼ100%はLED光源の商品となっており、街の家電量販店においても、店頭で販売される商品のほとんどがLEDの光源のものとなっています。LEDは白熱電球や蛍光灯など従来の光源に比べ、多機能で、消費電力を抑え、長寿命であるなどの従来光源を上回る大きな特徴を持っており、6年前の東日本大震災後より省エネに対する考えが高まる事で、一般照明用としても急速に普及していきました。
 中でも、LED電球はランプ交換のみで電気工事のいらない手軽なLED化として、皆さんのご自宅でも、すでに取替えられた方もたくさんいらっしゃるかと思います。
 一見、従来のランプ光源に比べて良いことづくめと思われるLED電球ですが、数年前に比べ落ち着きはみせてきたとはいえ、一般のユーザーから「購入してすぐ壊れた・切れて点かなくなった」といった苦情が今だに挙がってくるようです。
 長寿命と謳われているLED電球なのに・・・なぜすぐ壊れたり、切れたりするのか?
 一般的なLED電球の寿命は4万時間と明記されるものが多いのですが、この寿命は各メーカーによる科学的研究データやランプの加速試験などに基づいて算出されるのが一般的で、これらを「定格寿命」として商品の箱に記載されています。しかしながら、これらのデータは一般的な使用条件を基に試験されているため、実際の使用環境等が全て考慮されているわけではないのです。もちろん中には何年かの保証期間を設けているメーカーはありますが、「定格寿命が4万時間」と記載されていても、それは実際の所、平均値や予想値であって、保証値ではないのです。
 とはいえ、長寿命と思って数千円出してLED電球を購入しても、すぐに故障して使えなくなると困ります。そうならない為に、賢いユーザーとしてはある程度の知識はいれて、適正な商品を選択したいところですよね

◆LEDは熱に弱いのだ!
 100%の電力に対して、従来のランプが10%程なのに比べて、LED電球は30%以上を光に変換することからもエネルギー効率は良いといえますが、それでも残りの70%程が熱となります。実はこの熱が、LED電球の寿命に大きく影響してしまうのです。
 LED電球は、光を放つ素子部分と電気を送る電解コンデンサーという電子部品が使われている電源回路部分に分けられるのですが、もしこの電源回路部分が、高温で破損すると寿命が著しく短くなることも考えられるのです。もちろん各メーカー共、熱を逃がす放熱技術を高め商品に反映させてきてはいますが・・従来光源を使用していた器具の形状や取付場所によって、熱のこもるようなケースの場合は十分注意が必要となります。
 一般的には初期トラブルは1年以内に起こる確率が高いので、その期間を超えてしまえば、使用環境の変化がなければ、長持ちすると考えて良いと思いますが、今一度、LED電球は従来光源のランプとは違い精密な電子機器と理解し、熱や湿気などを極力避けるように気を付け、使用上の注意事項、仕様を理解して長寿命の特性を活かす適正な使い方をしていきたいものですね