放送日:2017年4月14日

「2017 ミラノデザインウィーク」

 先週1週間、仕事を兼ねてイタリアのミラノとローマへ行ってきました。・・・そこで
 滞在中訪れた現地の照明展示会の様子や、照明デザインの最新トレンドや「イタリアのあかり」などのお話をさせていただければと思います。

 毎年4月に、主に家具や照明など、最新のインダストリアルデザインが一同に介す国際見本市がイタリアのミラノで開催されています。これを「ミラノサローネ国際見本市」といい、開催期間中の6日間に33万人以上の人が会場に訪れるといわれる世界最大規模の国際見本市となります。このミラノサローネの本会場だけではなく、期間中ミラノ市内の広いエリアで、企業やデザイナーによる様々な展示が数多く行われ、世界中から多くの人々が訪れるミラノ市街全体で賑わうデザインの祭典となっています。
 このデザインイベント期間を総称で「ミラノデザインウィーク」と呼ばれています。
 
 毎年4月に6日間開催されるこの「ミラノデザインウィーク」は、メイン会場となる「Fiera/フィエラ」で催される「ミラノサローネ」と、ミラノ市内の広い範囲で各地区にわかれ催される「フォーリサローネ」からなるイベントで、本会場となる「Fiera/フィエラ」の広さだけでも、およそ東京ドーム11個分、東京ビックサイトの全展示面積の約3倍以上の広さでの展示となりますから、本会場だけでも、とても1日で見て廻れる広さでなく本当に規模の大きいイベントとなります。また、規模の大きさだけでなく、各企業の展示ブースひとつひとつとっても、精度の高い造形作品のようにデザイナーの思いが展示空間に創りこまれていて、単なる新商品の紹介展示ではなく、その商品を使う空間をもイメージさせられるように、その世界に引き込まれるような感覚を受ける夢のある空間となっている事から、そんな所が世界中の人を集める魅力なのかもしれません。
 ジャンルを問わず、もしデザインに興味のある方なら、面白すぎて時間を忘れて見入ってしまうと思います。実はこの「ミラノサローネ」一般の方にも土日の2日間は観覧でき、「ミラノデザインウィーク」のミラノ市内のサテライト会場ではほとんど無料で一般の方でも自由に観覧できる為、とてもおススメのデザインイベントです。

 実は今年のミラノサローネは、「Euroluce:エウロルーチェ」と呼ばれる「国際照明見本市」が隔年で開催される年で、世界の最新トレンドの動向が図る上でとても楽しみでした。
 昨年も展示はされておりましたが、今年は特に従来ランプでは表現が難しかった天井部から吊るされた無数のフルカラー光源による造形を施した作品が数多く展示されており、LED光源の技術向上とともなって、今後ますます器具の小型化に機能性が特化した商品や表現が広まっていくのを感じました。また、海外のメーカーから和紙や籐・繭など、様々な和の素材を使用した柔らかな「あかり」も数多く展示されて、従来の文化や様式に固執しない自由な発想で表現する大切さを改めて考える良い機会となりました。
 次回は、ミラノサローネ本会場の外、ミラノ市街の各所で開催されておりました「フォーリサローネ」の様子などお伝えできればと思います。