放送日:2017年1月27日

「あかりのスイッチ」

 今回は「あかりのスイッチ」についてお話しようと思います。
 ご自宅の新築やリフォームを計画される際、間取りから始まり、お部屋の内装、キッチンや洗面台などの衛生機器、また家具や照明などなど・・・決めなければならない事がたくさんありますが、その中でもスイッチは設置される事が当たり前のわりに、どのようなデザインや機能が良いかをあまり深く考えないことが多いのではないかと思います。
 照明器具がある限り照明スイッチは不可欠です。タイマーやセンサー機能が付いて自動で点滅するタイプもありますが、タイマーやセンサーがどこかに付きます。それらのスイッチが使い勝手が良く、部屋のインテリアにマッチしているなら良いのですが、そうではないと問題です。
 例えば、玄関に入って靴を脱がないと届かない位置にスイッチがあるとか、扉を開けた時に隠れてしまうとか、内装材の色と合わず浮いてしまっているとか、また、間取りや生活動線に合った位置や数を設けていないとか様々で、実際にご自宅のスイッチパネルやスイッチ機能を改めて見直すと、無駄な生活動線や気になることが多々あるはずです。
 新築やリフォームを行う際、工事の流れでいえば照明器具の取付けなどの電気工事は後の方になりますが、電気の配線などを壁内部や天井裏に仕込む配線工事は、上棟後の比較的早い時期に行う工事となることから、壁・天井が仕上がったあとに位置や数を変更したくても難しいことがあります。その為、工事の始まる前の設計段階で電気設備図を基に十分に確認する必要があります。しかしながら、図面を確認するといっても、一般の方にとって設備図などは特に、線がゴチャゴチャ書いてあって、何のことやらわからないと思います。  
 そこで、比較的に簡単な確認方法をお伝えします。

 まず、難しい配線などが入った設備図面はいりません。部屋の間取りなど必要最低限の確認ができる平面図を書き込み用で何枚か用意します。そして、その平面図を見ながら、朝、昼、晩と、その時々の時間や生活シーンを頭に浮かべながら、図面の中を歩くように指やペンでたどってみるのです。例えば、リビングから家事室に向かってみたり、お部屋からトイレ・洗面所に向かったり、身支度して外出したりと、様々な生活動線をイメージしながら確認し、ここにスイッチがあると便利だなと思う箇所に印をつけていきます。
 それらの図を基に、ここにスイッチを設置したいから、開口を調整して小壁を設けようとか、開き扉から引き戸にしようとか、設計者と打合せを重ね調整していけば、位置の変更や追加工事もなくなり、より快適に過ごせる生活動線が創りやすくなります。
 
 実は現在、スイッチひとつでも様々な新機能を持った商品が増えています。そこで次回は、新築やリフォームの時だけでなく、小さな工事やちょっとした工夫で快適に過ごせるようになるスイッチ計画のポイントや新機能の仕様例などを紹介したいと思います。