放送日:2016年3月18日

「卒業式とあかり」

 今週の朝生で“卒業式の歌スペシャル”をされているとのことで、今回は「卒業式とあかり」としまして、卒業式にちなんだ「あかり」のお話をしてみたいと思います。
 私などの世代で卒業式の定番曲といえば「蛍の光」と「仰げば尊し」がすぐに浮かんできますが、近年では「歌詞がわかりづらい」だとか「時代にそぐわない」など様々な理由から歌われなくなっているらしいのですが、実際どうなんでしょうね?

 「蛍の光」はもともとスコットランドの歌が移民文化のあったアメリカを経由して明治時代に日本に入ってきた曲らしいのですが、当時の時代背景から翻訳される際、歌詞の意味は変化しましたが、友人との別れを歌う内容ということで、「卒業式の歌」として歌われるようになったようです。また、「仰げば尊し」も西洋音楽を原曲として同じく明治時代に生まれた日本の唱歌のようです。これら当時の唱歌のほとんどは「四七抜き(よなぬき・ファとシのない)」という五音階の日本の伝統的な音階で作られており、昔の歌なのに今も好まれている理由のひとつに、昔から日本人の持つ情感を高める音階といいますか、日本人の心の琴線に触れる点にあるのかもしれません
 歌詞の意味はともあれ、このような情感高まる曲を「卒業式」で歌えば思い出も浮かんできて感極まってしまうのも当然な事かもしれませんね

 さて、おそらく卒業式を行う場所といえば、ほとんどは、「体育館」になるのかと思います。
 卒業式や入学式を迎えるにあたって、照明設備のリニューアルをされた学校もいくつかあると思いますが、それらの体育館を照らす照明は、メタルハライドランプや高照度のLEDランプなどの明るく煌々と上から照らす「白色系のあかり」がほとんどでしょう。
 以前からお伝えしておりますが、照明の色は人の感覚や感情をつかさどる交換神経や副交感神経に大きく影響を与える効果があるといわれていまして、電球色など温かい光の色だと副交感神経系の働きによりリラックスした落ち着いた気持ちになりますし、逆に卒業式の体育館ような、高い天井から青みがかった白く明るく照らす光環境の中では、交換神経の働きにより神経が活動的になる作用が働きます。
 つまり、卒業式の体育館の照明は、厳粛な雰囲気の中、情感高まる卒業式の曲を歌って、思い出に浸り優しく感情を高めて涙するには、理想的な光環境といえるかもしれませんね。・・・少し話に無理を感じますが(笑
 何はともあれ、今年、卒業を迎える学生の皆さん、そしてお父さん、お母さん、家族の方々、ご卒業、誠におめでとうございます。卒業式で流す涙ほど素敵な涙はないと思います。
 皆さん心に残る素敵な卒業式をお迎えください