放送日:2015年9月11日

「赤ちゃんに最適な光環境とは その1」

 昨今、LEDの急激な普及によって、照明器具だけではなく、薄型TVや携帯用端末のバックライトディスプレイなど、日々の生活をおくる中、LEDの光を目に入れる場面が増えています、それに伴って私たちの生活の中の光環境も実は大きく変化してきています。

 この急激な光環境の変化と同時に、変化している分野として育児環境があります。
 乳児や幼児期は、人として健康な体や生体リズムを形成していくのに最も重要となる時期であることから、最近の育児本なども、このような光環境の変化に対応した内容も増えてきております。
 そこで今回は、「赤ちゃんに最適な光環境」としまして、乳児、幼児期に大事な「あかり」とは何か?考えてみたいと思います。

 まず、赤ちゃんに最適な光環境を考える上で、特に重要になってくるのは、サーカディアンリズム(生体リズム)を整えるということです。・・・・「昼型の人」「夜型の人」なんて言葉がありますが・・・・自分は「夜型」で朝に弱く夜になると活動的になるという方は、ただ体内時計がずれているだけでして、基本、人はすべて「昼型」なのです。
朝起きて、日中(昼)活動し、夜に寝る・・・といった、この太陽の軌跡に合わせた規則正しい生活を送る事が、人が健康に生活を送る為には、最適な生活のリズムといえます。
 もちろん、これは赤ちゃんにもいえる事で、朝から夜にかけて太陽光の変化に近づけた光環境で生活することがとても大事なことといえます。

 しかしながら近年、私たちの生活の中に増えてきているLEDの光、このLEDの基となる青色の光(ブルーライト)は、人が見える可視光線の中でも短波長域の光として、紫外線にもっとも近く大きなエネルギーを持っていることや、光色の観点からも日中の光に分類されることから、特に夜間の使用や照らし方によっては、人の目や体に対して大きな悪影響を及ぼす危険性があります。
 例えば、このような光環境の中、日没後の明る過ぎる家庭内照明や、夜間のTVやパソコンなどをしている環境の近くに赤ちゃんがおかれた場合、一日のリズムが整わず体内時計が狂っていく恐れがあるのです。

 実は赤ちゃんの体内時計は24時間と定まってはおらず、赤ちゃんによって数時間のずれあることから、体内時計にリセットをしてあげなければ、11日~13日毎に睡眠覚醒のリズムがずれて昼夜逆転することになるのです。
人の体内時計は母親のおなかの中にいる時から作られはじめ、生後6か月あたりで整えられるといわれることから、この間にある程度生活リズムを整えてあげないと、その後、夜泣きが頻繁に起こったり、乳児から幼児へ成長していく過程においても寝つきが悪くなったり、健康面でも悪影響を与える恐れがあるので注意したいものです。
 浅い眠りで昼も夜も関係なく寝たり起きたりする赤ちゃんの育児はとても大変な事です。
 私も以前経験しましたが、連日夜泣きされたりすると親にとってはとても辛いことです。しかし、夜泣きしなければならない状況下におかれた赤ちゃんは、親以上に辛いのだと考え、的確に光環境を整理・改善してあげて、生体リズムを整えてあげることが必要になってきます。

 とはいえ、今後ますますLEDの光を目に入れる環境は増えていくことから、日々の生活をよりよく過ごす為にも、正しい知識をもって接していくことが大事になると思われます。