放送日:2015年5月15日

「オシャレな照らし方」

 前回は「空間をオシャレに見せるあかり」としまして、ご自宅のお部屋などを「あかり」で、オシャレに格好良く演出する為、お部屋の隅々まで均一に照らす天井照明などの「全般照明」だけでなく、時間や場所、様々な生活シーンに合わせて、部屋の各部分を照らすスポットライトやスタンドライトなどの「部分照明」をいくつか加えた「1室多灯」からなる「光の組合せ」が「光と影のリズム」を創り、「空間をオシャレに見せる」最大のポイントであるとの基本的な考え方をお伝えしました。
 そこで、今回は前回に引き続き、「オシャレに見せるあかり」の実際の照らし方やコツなどをいくつかお伝えできればと思います。

 まず、光源となる照明器具には、たくさんの種類があることを御存じでしょうか?
 天井では、天井に埋め込んで使用するダウンライト、天井からコードで吊り下げて使用するペンダントライトやシャンデリア、天井面に直に取付けて使用するシーリングライト、また、壁や床では、壁面に取付けて使用するブラケットライトやスポットライト、テーブルや床に置いて使用するスタンドライトなど、照明器具には多種多様な器具が存在し、その器具それぞれに照らし方やあかるさ感が違います。これらを上手く組合せることが、オシャレに見せるライティングの基本になるのですが、いきなりこれらをまとめ上げるのはとても大変です。それに、照明器具の種類によっては、設置に配線工事が必要になったり、間接照明などの建築的な工事を伴うものもあります。
 そこで、今回はシンプルに1種類、スタンドライトに着目して考えてみたいと思います。スタンドライトは他の種類の器具と違い、コンセントからコードの届く範囲で時間や場所を限定せず自由に動かせることのできる唯一の器具になることから、ご家庭で手軽に「あかりの演出」を行うのにとても使いやすい器具となります。

 では、このスタンドライトを使った「オシャレな照らし方」をいくつか紹介します。
 スタンドライトには、大きく分けて2種類、床に置く背の高いフロアスタンドとテーブルなどに置く背の低いテーブルスタンドがあります。これら高さの違うスタンドライトをお部屋に置く際、まず注意する事は光源である電球が目に入ってこない眩しくない位置に器具を配置することが重要となります。普段、床に座って過ごすか、ソファなどに座って過ごすかによっても目線の高さは変わるので注意しましょう
 この眩しくならないコツだけを守って天井照明を落として、あとは自由に光を楽しむ感覚で、「光と影のバランス」を確認しながら、お部屋のいろんな位置にスタンドライトを置いてみてください。普段見ることのできないお部屋の表情を楽しむことができるはずです。
 例えば、夜、ソファに座ってゆっくり過ごしたいのならば、目線に入らない側面や背面にフロアスタンドを置くことで、視界に入る部屋の表情が柔らかい光に包まれ落ち着いた雰囲気になりますし、部屋に観葉植物があれば、その鉢の裏に背の低いスタンドライトを置くことで、壁や天井に観葉植物の枝葉の影が映る間接照明になります。薄型TVの裏やテーブルの下などに置いてみるのも良いかもです。また、お祝いや特別な日などの食卓で、食台の蝋燭をイメージして、スタンドライトだけでテーブルを照らしてみてください、普段と違う食卓の表情が現われます。
 このように、スタンドライトひとつとっても様々な照らし方を自由に試してみることで、普段と違うお部屋の表情を楽しむことができます。

 もちろん、人それぞれにオシャレに感じる感覚は違いますし、お部屋に置かれた家具や内装材の色なども違います。ただ、「オシャレなあかり」と言っても人や条件によって千差万別となりますが、「あかり」に触れ楽しむ機会をつくり、いろいろ照らして試してみることが良いと思います。
 難しい知識は二の次です。まずは「あかりを楽しむ感覚」を持つと、その中から各々が感じる「オシャレに見せる照らし方」が、きっと見つかると思います。