放送日:2020年7月17日

「寝室の照明」

 ところで、皆さん昨夜はぐっすり眠れましたでしょうか?
 ぐっすり眠れた日は、翌朝スッキリと目覚め一日気分が良いものです。日々の暮らしを快適に過ごす為、質の良い睡眠をとる事は、やはり健康には欠かせないものといえます。
 しかしながら、「寝つきが悪い」「途中で何度も目が覚めてしまう」など睡眠に関する悩みを抱える方も少なくないようで、日本では5人に1人が何らかの不眠症の傾向にあるとも言われています。→皆さんもどうでしょうか?
 睡眠を妨げる原因は、体の不調やストレスなど様々あると思いますが、中でも大きな要因のひとつに「光」が眠気を妨げている場合があります。そのため、上質な睡眠をとれる寝室には適切な照明計画が必要となります。そこで今回は、あかりの観点から、寝室の照明を考える際に、外せない3つのポイントをお伝えできればと思います。

◆ポイント1:複数のあかり
 日本の一般住宅の寝室では天井に設置したメインの照明をつけて終わり、というご家庭が多いと思いますが、時にはゆっくりと落ち着いた雰囲気のあかりにしたい時もあると思います。単に寝室といっても、そこで行われる行為は様々で、睡眠だけではありません。
 例えば、寝る前に読書をしたり、TVやスマホを観たりと過ごすこともあるでしょうし、また日中では、洋服を着替えたり、お化粧や身だしなみを整える空間でもあるでしょう。
 これらの様々な生活シーンに対応する為には、複数の照明を組み合わせたり、調光できる照明を設置しておき、光環境の対応力に幅を持たせることで、快適で過ごしやすい寝室になります。

◆ポイント2:安眠のあかり
 様々な行為が行われる寝室ですが、基本的に求められることは1日の疲れを癒し安眠できることです。それには、就寝前に気持ちを落ち着けて寛げる空間づくりが望まれます。
 ゆったりとリラックスした雰囲気にするには、光の色が重要なポイントになります。今のような人工照明のない大昔から人は就寝前、夕焼けや温かな炎のような色温度の低い赤みがかった光の中で生活してきた為に、照明でいえば照度を抑えた電球色の和らいだ光でお部屋を包むと本能的にゆったりと落ち着いた気分になり、体も自然と安眠の為の準備をし始めます。つまり就寝する数時間前からは、必ず適度に明るさを抑えた電球色の光にすることをおすすめします。 
 そして、日々継続することで、自律神経のバランスも整え良い方向に働いていき安眠できる体質づくりを助けます。

◆ポイント3:妨げないあかり
 寝室は他の部屋と異なり、良い眠りを妨げない工夫が照明にも必要となります。例えば、夜中にトイレに立つ時にも、部屋全体を明るくすると眩しく不快なだけではなく、眩しさで自分だけでなく相手も起こしてしまう事もあります。その為、目に直接光源が入らない位置に照明を配置したり、足元の安全確保の為のあかりを準備するなどの工夫も良いです。

 今回3つのポイントをお伝えしましたが、これらのポイントを組合せて応用することで、どのようなお部屋であっても快適な寝室のあかりを作り上げることができます。

 最後に・・・これらの考え方を参考に各々にあった最適な寝室のあかりを見付けてみてはいかがでしょう。良い睡眠がとれない方もかなりの改善する可能性がありますよ