放送日:2019年7月19日

「UV(紫外線)LED」

 皆さんは青紫色に光る「ブラックライト」と言われるランプをご存知でしょうか?
 このブラックライトを見かける身近な所といえば、例えば、銭湯などに置いてある消毒済のブラシを入れた箱や医療施設等のスリッパなどを照らす、殺菌用ランプとして使われていたり、飲食店の厨房や小売店の軒先などに設置して、虫を集める捕虫器として使われたりします。また、専門的な場所でも、イベント空間や舞台照明などの演出用に使われたり、収蔵品の検査などなど、広く様々な場所や用途で使用されるランプといえます。

 では、「ブラックライト」は一体どんなライトなのでしょうか? それは、ただ青紫色に光るライトということではなく、実は「紫外線」を発するライトを指し、主にUVを照射することを目的とした照明器具・ランプとなります。

 この自然界に存在する光は全て「ナノメートル(nm)」という波長の単位で表されるのですが、その全ての光の中で、人の目で見ることの出来る光の波長域を「可視光線」といい、それは、およそ380~750nmの間の波長域となります。
 この「可視光線」の波長域の中で、数値の低い付近は「青色」や「紫色」があり、さらに数値を低く波長を短くすると、人の目に見えない紫外線の波長域となります。つまり、目に見えないはずの「ブラックライト」の光がなぜ?青紫色に見えるかというと・・・発光のピーク波長は紫外線となりますが、発光する際50~100nm前後の波長も含まれることで、「可視光線」で最も紫外線に近い「青色」や「紫色」の波長が含まれ目に見えるのです。
 
 しかし、これらは従来の蛍光灯タイプの「ブラックライト」に見られる仕様で、2002年に「UV(紫外線)LED」が開発されて以降は、より安全性や品質の高い「UVライト」を使用した商品が市場に出回るようになりました。

今後期待の高まるUV LED照明ですが、「UV(紫外線)LED」の特性や、従来光源との違いなど、この後もお伝えしていければと思います。