放送日:2019年1月4日

「日本の太陽」

 新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 新たな1年を迎え、ご家族やご友人と、各々に楽しい時間を過ごされていらっしゃる事と思います。
 日本では年に一度、1年の終わりと新たな1年の始まりの間、ほんの一瞬に生まれる最初の夜明けとなる 1月1日(元日)のめでたい日の出「初日の出」を拝む際、その年の願い事や決意などを祈ることが多いようで、昔から日本各地で初日の出スポットに行き、初日の出参りを行う方もたくさんいらっしゃるようです。
 日の出を特別なものとして拝み祈る風習は、その年に感謝し、翌年の実りを願う、島国日本に太古の昔から営む農耕民族独特の伝統が込められており、穀物の豊穣を司る神、「年神様」が降臨することに由来するとされております。
 新旧年を繋ぐほんの瞬間に輝く、その神秘的ともいえる御来光の灯(ともしび)は、私たちを未来へ輝く光のバトンとして、皆さんをこれからも照らし導いていくことでしょう。

 日本人は昔から太陽の光を「万物の成長の元」として崇めてきました。また四季によって微妙に表情を変える太陽の光による美しい風景は、豊かな感性を育み、精神的にも「日本らしさ」をより一層感じることのできる象徴されています。
 自然の恵みに感謝しながら暮らしてきた日本人の心の拠り所となる太陽の光。
その太陽の光を象徴する日本の国旗は、「日章旗」という正式名称で、現在の白地に赤い太陽を表した日の丸といわれるデザインとなっています。
 日本の国旗として使われた歴史をみると、始まりは飛鳥時代701年の正月の儀で、幟(のぼり)のような日象の旗を掲げた記録が残っています。そして平安時代までは、朝廷の象徴である錦の御旗は赤地に金の日輪のデザインであり、その後、平安末期、源平合戦の時に平氏は赤旗、源氏は白旗を使用し、平氏の滅亡で、源氏により武家政権ができると「白地に赤丸」の日の丸が天下統一の象徴として受け継がれることになったようです。古来より日本で紅白がめでたい色であることも影響していたともいわれています。
 その後、幕末から明治、昭和と時代によりデザインも変化し、2種類ある状態など長く続きましたが、1999年(平成11年)に公布された「国旗及び国歌に関する法律」によって現在使われておりますデザインが日本の国旗として正式に設定されました。
 赤は「博愛」「活力」、白は「神聖」「純潔」、日の丸形は「円満」「団結」の意味が表され、日本人の願いをそこに見ることができます。
 
 古来より太陽を崇め続けてきた日本人の尊い思いが繋いだ日の丸、これからも新しい私たちの未来を明るく照らす光の象徴として輝き見守り続けていってほしいと思います。