放送日:2017年12月1日

「あかりの楽しみ方」

 今回は、これからの「あかり」の楽しみ方について考えてみたいと思います。
12月に入り街はクリスマスカラーに彩られ所々でイルミネーションを見る機会も増えてきます。これらは、いわゆる演出要素を持つ観る人を楽しませる「あかり」の代名詞といえるでしょう。
 しかし、その他にも我々の生活する街には様々な「あかり」があります。
家の中で使われる住宅照明、学校や仕事場などで使われる照明、また、店舗や施設で使われる照明と、数多くの「あかり」があります。これらの様々な使用用途を持つ「あかり」はイルミネーションなどの演出照明とは、少し違った観点を持つ楽しみ方になります。

 昨今、省エネへの関心の高まりとともに、器具やランプなどのLEDの普及、技術発展が進み、今後ますます省エネ化に向けて期待が高まっています。これらLEDの技術開発により商品の機能性の幅も広がり、それと同時に、その機能性の高さから快適性への要望も強く、実際の業務の中でも感じられるようになりました。一般の方々の中にも、光と影の演出による空間設計を求められる傾向が増えつつあります。
 しかしながら、これらの要望に対して、演出照明の考え方を形にする設計者でも十分理解されている方ばかりとはいいがたく、経済的に効率良く明るさを確保するという側面のみで、未だに照明設計を提案する場合が多いように感じ寂しい気がします。
 
 確かに照明は多少の基礎知識を必要としますが、空間の機能性や雰囲気をコントロールする手段としては、コスト面を含めても、身近で扱いやすいデザインツールになり得ます。
 照明を自らコントロールして演出するとなると、どうすれば良いかわからず難しいと思われる方がほとんどと思われますが、ほんの少し「あかりを楽しむ」といった捉え方を持つことで、今まで感じることのできなかった快適な環境を創る下地となるのです。
 例えば、一般の方々にとってもフロアライトなど置き型の器具を使って好みの「あかり」を創ることは決して難しいことではなく、部屋の色んな場所に置いてみたりして、自分好みの「あかり」を見つけ楽しみの幅を広げるきっかけになります。また、店舗においても日中と夜間、晴天と雨天では、出入りされるお客様の店内のあかるさ感に対する印象も変わります。そこで、時間帯や天候に対応した居心地の良い「あかり」を調光調色機能や配光の変化を創り上げることで、時々に最適なお店の印象をコントロールできます。
 
LED化など省エネ性能の高い器具に替えるはとても良い事ですが、「あかり」のもたらす空間の印象を変えずに、さらに悪くするような結果になっては本末転倒です。「あかりを楽しむ」意識をを持つことで、そこに創意工夫も生まれ、無駄なコストを掛けずに、今までにないワンランクアップした生活空間の創造を楽しむことが可能になります。